初の人工衛星打ち上げから50年。21世紀の月探査時代の幕開けを飾るともいわれている月周回衛星H-IIAロケット13号機『かぐや/SELENE(セレーネ)』が9月13日(木)の日本時間10時35分47秒に種子島宇宙センターより打ち上げられる予定です。
SELENE(セレーネ)は、Selenogical and Engineering Explorerの略語。そして、ギリシャ神話に登場する月の女神の名前でもあります。高さ約4m、重量約3.500kgのセレーネは、米国のアポロ計画以来最大かつ本格的な科学探査を行なう月探査機です。
プロジェクトマネージャーである滝澤悦貞氏によると、1960代〜1970年代にかけてアポロ計画を筆頭とする多くの探査機が月に送らた時代は、まさに冷戦の最中。月探査は単に人間を月へ送る競争として行われ、月が約45億年前に形成されたことは判明した物の月の起源と進化は謎のまま残されてきたそうです。
14基の高性能科学機器を搭載したセレーネは、月の表側や裏側の地形と表層構造、表裏の重力分布、磁場、元素や鉱物分布などの高精度なデータを取得。月がどのようにして形成され、その後どのように変遷して現在に至るかという月の起源と進化、月の内部構造など今まで謎とされていたことを解き明かしてくれるでしょう。そして、搭載されたハイビジョンカメラで青く美しい地球が月面上から現れる『地球の出』を動画で撮像し、月周回軌道から送信してくれます。
中国やインドでも今年から2008年にかけて月周回衛星を打上げる予定があるそうですが、「かぐや」は欧米諸国を始めとする世界の研究者から最も優れた科学ミッションとして評価されているそうです。
2020年頃から展開する予定の米国による月資源を利用した有人月探査活動計画の事前調査として、「かぐや」のデータも活用されます。まさにセレーネは、月における有人活動に大きな貢献を果たすのです!
特設サイトでは、セレーネのカウントダウンが始まっています。13日の打ち上げまであと3日。打上げ時にはライブ中継も予定しているそうですので、興味のある方は是非ご覧ください。
セレーネ特設サイト
www.jaxa.jp/countdown/f13/
かぐや(SELENE) プロモーションムービー
(WMV Player、QuickTime Playerなどが必要です)
mms://jda-str.tksc.jaxa.jp/www/projects/selene/KAGUYA_0730.wmv |