2009年1月6日午後1時(アメリカ東海岸時間)、アメリカ合衆国のブッシュ大統領が、「マリアナ海溝海洋ナショナルモニュメント」の制定を発表しました。
北マリアナ諸島の北部3島とマリアナ海溝や、その近くにある海底山脈などを含む海域約9万5000平方マイルが、世界で3番目の海洋保護区として保護されることになります。
この2年間、Pew Environment GroupのGlobal Ocean Legacy Programは、ブッシュ政権と市民とともに取り組み、マリアナ諸島を囲む水域で大規模な海洋保護区の概念を進展させるために、北マリアナ諸島連邦の職員を選出し、200以上の地元企業と6,000人の市民が、世界に通用する海の国定記念物を支援する嘆願書に署名してきました。
Pew Environment Groupは、マリアナ諸島の経済界とFriends of the Monument(マリアナ海溝を国定記念物化を推進している地元組織)と協力して、公開討論会で提案された国定記念物を吟味するため、100回以上の市民集会を開催。さらに、マリアナ諸島経済への国定記念物の潜在的経済利益の評価を含めて提案された、国定記念物地域に含まれる生物学的および地質学的資源の包括的かつ科学的なプロファイルを、開発してきました。
Pew Environment Groupの専務理事、Joshua S. Reichert氏は、「これらの場所から未知の商用資源を短期的に略奪するよりも、安全に保護することで測り知れないほど多くのものを得ることになる」と、語っています。
サイパンに拠点を置くFriends of the Monumentの会長Ike Cabrera氏も、「ブッシュ大統領がマリアナ島海の重要性と豊かさを認めたことを誇りに思う」と語り、「私たちが長い間大切にしてきたこの特別な場所を、世界と共有することができる」と、今回のマリアナ海溝海洋ナショナルモニュメントの制定を喜んでいます。
地球温暖化が本当の原因かどうかは定かではありませんが、北極圏の氷が溶けていることが判明するや否や、新しい北極海航路の可能性が現実味を帯び、さらに、多くの資源が眠っているという調査結果を受け、アメリカ、ロシア、カナダなどによる巨大利権争いが始まっています。
2006年、北西部ハワイ諸島で設立されたパパハナウモクアケア海洋ナショナルモニュメントと合わせて、世界の海洋環境保護史上、これまでに保護されてきた領域を上回る33万5561平方マイルを保護する国定記念物となったマリアナ海域。
人間による一方的な商業的利益ではなく、海洋環境を保護することが選ばれた今回の制定は、地球レベルでたいへん有意義で長期的な恵みをもたらすものとなることでしょう。
エコツーリズムがサイパンにできること
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